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■ 空燃比計・LM-1内蔵データロガーの活用 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ■ 空燃比計・LM-1内蔵データロガーの活用
今までに無かった、セッティングの方法 せっかくのエンジン性能を眠らせておくのは、もったいない! それに、同じパワーなのに無駄な燃料を使うのも、もったいない! 現在まで、燃料の調整をするときに、空燃比計はどのように使われてきたでしょう。 今までの燃調は、理論上の「理想的なエンジンでの空燃比」に合わせる事だけ考えられてきました。 理想的な空燃比は、机上での「パワー空燃比」や「理論的な空燃比」にすぎません。 実際に有効な空燃比は理論値と違い、エンジンの基本設計、過給器の有無、吸入空気量、火花の強さ、点火時期、、カム、バルブタイミング、燃料の質、そして回転数などによって違います。 理論ではなく、「エンジンの要求する燃料を供給する事」が重要なのです。 エンジンが要求する燃料を供給しないと、本来のパワーが発揮できません。 また、むやみに燃料を増やす事は、燃費の悪化とパワーダウンを引き起こします。 今までは、たとえ空燃比計を使ったとしても、感にたよる燃調だったといえるでしょう。 LM-1を使い、データを正確に比較すると、 「これぐらいかな?」というセッティングから、「この回転域は、この空燃比がエンジンに合っている」という確証を得る事ができます。 省燃費が注目される現在、無駄な燃料を使わないために重要なデータです。 「エンジンに必要な空燃比」は、実際に空燃比を変えてデータをとり、ソフトウエアーで比較する事で簡単に知る事ができます。 ■第1段階 以下の二つのグラフは、ギヤを固定のままアクセルを全開にして、燃調のみ変えたデータです。 「セッション1」は 1300回転 から 8400回転まで、28.27秒かかっています。 ■セッション2は 28.01秒かかっています。 違いは、燃調のみです。 これだけでも、燃調による加速の差がわかります。 普通の空燃比計では、これさえもわかりません。 しかし、本当のセッティングはここからです。 ■第2段階 本当のセッティングに使う ここから下は、「セッション1」に、「セッション3」を重ねて(オーバレイ)表示しています。(LM-1のソフトウエアーで簡単にできます) 元データ(「セッション1」)は実線で、重ねたデータ(「セッション3」)は、破線で( ) 内にデータが表示されています。 加速度は、グラフの傾斜に現れます。つまり、グラフの角度が急なほど、加速が良い事になります。 ■1230回転からの加速を比べます。 5.98秒後には、「セッション1」が2570回転。 「セッション3」では、2480回転に到達しています。 その差 90回転、「セッション3」より「セッション1」の方が早い事がわかります。 空燃比は「セッション1」が 13台、「セッション3」が 14台です。 1200回転から 2500回転までは、燃料が濃い方が加速がよい事になります。 ■2410回転からの加速を比べます 2410回転から4820回転までは、「セッション1」、「セッション2」とも同じ加速です。 空燃比は13前後と14前後ですが、この回転域では空燃比の差が加速に影響しない事がわかります。 燃料は少なくてもパワーは同じなので、空燃比を薄くする事ができます。無駄な燃料を消費しなくてすむので、燃費を稼ぐ事ができます。 ■4820回転からの加速を比べます 4820回転からの加速を比べると、8.36秒後には 「セッション1」は、7150回転。 「セッション3」の燃調では、7380回転に到達しています。 その差 230回転、セッション1より「セッション3」の方が早い事がわかります。 空燃比は「セッション1」より「セッション3」の方が薄い事から、この回転域は薄い方が加速がよい事がわかります。 ■7410回転からの加速を比べます 下図では、7410回転から始まり、4.76秒後には、60回転「セッション1」の方が早くなっています。 「セッション1」は「セッション2」より薄いので、この領域では、薄めの方が早い事がわかります。 ■回転数に対する空燃比を数値化した表 「セッション1」 「セッション3」 ■結論 この2種類のデータを比較しただけで、90+230+60=380回転分も稼ぐ事ができます。 また、不必要な燃料を使う事も無くなります。 今まで、このようなデータを表示できる空燃比計が存在したでしょうか。 これらは、回転数とのデータをロギングする事により、始めて可能になるのです。 空燃比を知っただけでは意味が無く、回転数や時間などと共に記録する事により、始めて意味のあるデータになります。 上記のようなログデータは、電子メールで簡単に送信する事ができます。 もちろん、解析ソフトウエアも無料で配布できますから、誰でもデータを確認できるのです。 サーキットから、遠く離れた技術者にデータを送信して、すぐにROMデータを作ってもらう事も簡単です。 もちろん、海外でも距離に垣根はありません。 机上のセッティングから現実のセッティングへ。 LM-1は、燃料セッティングに革命をもたらします。
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